突然ですが、あなたは老後の生活について、どれくらい具体的に考えていますか? 「まだまだ先のことだし…」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、実は老後の生活を豊かにするためには、今から知っておくべき大切な「年金」の話があるんです。
「年金」と聞くと、「なんだか難しそう」「自分には関係ないかな」と感じる方もいるかもしれません。でも、ご安心ください! 今日は、そんな年金の中でも、特に皆さんの生活に深く関わってくる「公的年金」と「企業年金」について、できるだけ分かりやすく、そして楽しくお伝えしていきます。
この文章を読み終える頃には、きっとあなたの年金に対する考え方がガラッと変わっているはず。そして、漠然とした老後の不安が少しでも解消され、明るい未来を描けるようになることを願っています。さあ、一緒に年金の扉を開いていきましょう!
目次
誰もが支え合う社会の基盤「公的年金」って何だろう?
まず、私たちが生きていく上で、ほとんどの人が関わることになる「公的年金」についてお話ししましょう。公的年金とは、国が運営している年金制度のこと。日本に住む20歳から60歳までの全ての人が加入を義務付けられている、いわば「みんなで支え合う」仕組みなんです。
「え、義務なの?」と驚いた方もいるかもしれませんね。でも、考えてみてください。もし、あなたが病気やケガで働けなくなったり、高齢になって仕事を辞めたりした時、生活費はどうしますか? そんな時、私たちを支えてくれるのが公的年金なんです。現役世代が納めた保険料で、高齢者や障がいを持つ方を支え、そして将来、私たちが困った時には、その時の現役世代が支えてくれる。まさに、世代を超えた助け合いのシステムなんですね。
公的年金は、大きく分けて2つの種類があります。
1. 日本国民の土台「国民年金」
まず一つ目は、「国民年金」です。これは、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務がある、年金制度の「基礎」となる部分です。会社員の方も、自営業の方も、主婦の方も、誰もがこの国民年金に加入しています。
「え、会社員なのに国民年金も入ってるの?」と思った方、そうなんです! 会社員の方は、後で詳しくお話しする「厚生年金」とセットで、国民年金にも加入しているんですよ。国民年金は、将来受け取れる年金額の土台となる部分なので、誰もが等しく関わる、非常に重要な制度と言えるでしょう。
国民年金から老後に受け取れる年金を「老齢基礎年金」と呼びます。原則として、10年以上保険料を納めていれば、65歳から受け取ることができます。もちろん、保険料を納めた期間が長ければ長いほど、受け取れる年金額も増えていきます。
「でも、国民年金って毎月保険料を払うのがちょっと大変…」と感じる方もいるかもしれませんね。でも、考えてみてください。もしもの時に生活を支えてくれる安心感、そして将来の自分への投資だと考えれば、決して無駄な支出ではありません。
2. 会社員・公務員の強い味方「厚生年金」
二つ目は「厚生年金」です。これは、会社員や公務員の方が加入する年金制度で、先ほどの国民年金に上乗せされる形で加入します。
厚生年金の保険料はあなたの給与額に応じて決まり、会社とあなたが折半して負担します。つまり、会社もあなたの老後の生活をサポートしてくれるというわけですね。
また、厚生年金は病気やケガで障がいが残ってしまった場合に受け取れる「障害厚生年金」や、一家の生計を支えていた方が亡くなった場合に遺族が受け取れる「遺族厚生年金」といった、いざという時の保障も国民年金に比べて手厚いのが特徴です。
公的年金だけじゃない! 会社の福利厚生「企業年金」の魅力
さて、ここからは、皆さんの関心も高いであろう「企業年金」についてお話ししていきます。企業年金とは、その名の通り、企業が従業員の老後の生活を豊かにするために独自に設けている年金制度のことです。
企業年金には、いくつか種類がありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
1. 企業が積み立てて運用「確定給付企業年金(DB)」
まず一つ目は、「確定給付企業年金(DB)」です。これは会社が年金資産を積み立てて運用し、将来従業員が受け取る年金額が、あらかじめ決められている(確定している)タイプの年金制度です。
「将来もらえる額が決まってるなんて、安心感があるな!」そうですよね。この制度の最大の魅力は、将来受け取れる年金額が明確であることです。会社の業績や運用状況によって、受け取れる年金額が変動することがないため、老後のライフプランを立てやすいというメリットがあります。
ただし、運用リスクは会社が負うため、会社にとっては負担が大きい制度でもあります。そのため、近年では、次に紹介する「確定拠出年金」に移行する企業も増えてきています。
2. あなたが自分で運用する「確定拠出年金(DC)」
そして二つ目は、近年急速に普及している「確定拠出年金(DC)」です。これは、会社が毎月一定額を拠出し、その資金を従業員であるあなたが自分で運用するタイプの年金制度です。
確定拠出年金には、大きく分けて2つのタイプがあります。
企業型確定拠出年金(DC):会社が掛金を拠出し、従業員がその運用先を選ぶものです。
個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ):これは企業年金とは少し異なりますが、個人が任意で加入し、自分で掛金を拠出し、運用するものです。会社に企業年金がない場合や、公的年金だけでは不安な場合に、老後資金を準備する強力なツールとなります。
iDeCoは運用成果によって、将来受け取れる年金額が変わることが魅力です。つまり、あなたが賢く運用すればするほど、将来受け取れる年金が増える可能性があるわけです。
また、iDeCoの最大のメリットは、税制の優遇措置があることです。掛金の全額が所得控除になったり、運用益が非課税になったりするんです。さらに、受け取るときにも「退職所得控除」や「公的年金等控除」が使えて所得税が安くなったり、タダになったりします。国があなたの老後資金作りを強力に後押ししてくれる、これは見逃せないポイントですよ!
公的年金と企業年金、それぞれの役割と賢い活用術
ここまで、公的年金と企業年金について詳しく見てきました。ここで一度、それぞれの役割と、それらをどのように賢く活用していくべきかを整理してみましょう。
公的年金は「セーフティネット」です。 誰もが安心して老後を迎えられるように、国が保障してくれる最低限の生活資金、いわば「土台」となる部分です。これは、私たち日本人全員が支え合い、そして支えられる、非常にありがたい制度なんですね。どんな状況になっても、この公的年金があるからこそ、私たちは最低限の生活を維持できるという安心感があります。
一方で、企業年金は「上乗せの安心」です。 公的年金だけでは賄いきれない部分を補い、より豊かな老後生活を送るための「プラスα」の要素です。会社の福利厚生として提供されているため、企業に勤めている方にとっては、ぜひ活用したい制度と言えるでしょう。
あなたの未来は、あなたの手の中に
公的年金と企業年金、いかがでしたでしょうか? 漠然と「年金」と一括りにしていたものが、少しは具体的に見えてきたのではないでしょうか。
老後の生活を豊かにするためには、この二つの年金制度を正しく理解し、賢く活用することが非常に重要です。公的年金が私たちの生活の「土台」を支え、企業年金がその上に「ゆとり」を築く手助けをしてくれます。